今月のANA機内誌「翼の王国」連載企画・中国万事通では、重慶の「棒棒軍」をフォーカスしています。
実は、重慶は今回の取材ではじめて訪れたのですが、まず気にいったのは、その近未来的風景。
長江と喜陵江、ふたつの大河にはさまれた街は、河岸から丘陵へと街が広がり、坂道と階段だらけ。そこにここ10年ほどの間に、超高層ビルが林立、スモーキーな空気がそれを包んでいます。河と河にはケーブルカーが走り、そこから見下ろす街は、奇妙な魅力。ほんとうに見たこともない街なのです。
坂道と階段だらけの街で、昔から活躍するのが、「棒棒軍」と呼ばれる、荷物担ぎの人たち。竹棒1本もって、街角で客待ちをしていて、荷物をお願いすると、ロープで括って竹棒でかつぎ、ついてきてくれるのです。
今度の取材では、カメラマン、岩崎さんのスタンドを担いでもらいましたが、岩崎さん、大喜びしてましたね(笑)。「北京にもいたらいいのに」というのが荷物の多い職業の私達2人の共通の感想。でも平坦な北京ではクルマが圧倒的パワーで、坂道と階段の重慶ゆえの職業なんですね。重慶では、クルマが入れないエリアの引越しでも、大活躍してました。
それにしても、竹棒1本だけもって、人が街にたっている風景も、すごく不思議なビジュアル。
昔からの職業なんですが、いまどき、竹の棒だけもって、人が立っている街なんて、ないですよね?近未来的なビルとこの伝統職業の組み合わせが、ビジュアル的にすごく面白い街でした。
機上でぜひチェックを!
この奇妙な魅力に満ちた重慶、クリエイターを刺激するらしく、昨年の中国では重慶を舞台にしたコメディ「クレージーストーン」が大ヒットしてます。
ハチャメチャなストーリーに重慶のビジュアルがぴったり。
重慶、いま私が中国で最も気になる街の一つになりました。